2015年5月26日火曜日

多文化共生川柳カルタ(かきくけこ)

名古屋で多文化共生に関わる仕事や活動をしている詠み人集団・尾張小町による多文化共生カルタの「かきくけこ」編が届きました。今回のメンバーは北奥順子、近藤公彦、近藤淳宗、柴田睦美、人見泰弘、松田薫の皆さんで、以下の句・コメントは六人の共作です。

詠み手の誰かを川柳や百人一首の登場人物に重ねてイラスト化した作品も送ってくださいました。描き手は尾張小町のメンバー。本カルタ制作のリーダー格である人見泰弘さんを芭蕉のイメージで描いたそうです。

それでは、作品です。

カ 風邪ひいた病院行っても通じない
外国人が日本人の医療スタッフに病気や症状を伝え、かつ治療法を聞き取ることは簡単で
はありません。間違うとたいへんです。そのため最近は、「医療通訳」という仕事が注目さ
れています。

キ きれいだな色とりどりの民族衣装
チャイナドレス、アオザイ、サリーなど、いろいろな衣装文化があります。みなさんも一緒に着てみませんか?

ク くりきんとんクリントンだと思ってた
テレビやラジオで日本語を聞き取ることは簡単ではありません。

ケ ケンタッキーKFCならわかるのに
同じ会社なのに、海外と日本で名称が違うと、みなさん戸惑われるそうです。
⇒(管理人コメント)日本の中でもありますね。大阪出身の私は困りませんが、アイスコーヒーが大阪では「冷コー(れいこー)」になります。アイスティーはそのままだったような……。

コ こみ上げる だけど国には帰れない
異国で生活すれば、毎日ストレスを感じてしまいます。帰りたい、でも仕送りして、国に残してきた家族や子どもを支えなくてはならない。そう思って必死に働いている人々がいます。


◆◇◆

◆「川柳ひろば」の投稿先:
   日本福音ルーテル社団(JELA)「川柳ひろば」係
   住所:150-0013 渋谷区恵比寿1-20-26 
   FAX:03-3447-1523
   E-mail: jela@jela.or.jp 皆様のご応募をお待ちしています。

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2015年5月18日月曜日

【川柳ひろば】異文化交流川柳カルタ(カ行)

ア行と同様、作句・コメントともに羊野さんぽさんによります。

◇◆◇

カ)環境も文化も人の友みたい
⇒ 豊かな自然環境と相まって、大らかさを感じた家庭滞在を思い出します。国内外問わず、季節や地域特有の文化的行事に囲まれて国民性は育まれるのでしょうか。
メープルシロップを採取しているカエデの木
メープルシロップを採取しているカエデの木

キ)着慣れない和服に照れる化粧顔
⇒ 海外で着付けや振袖の価格を紹介したとき、一人で着るには練習が必要な複雑さや美術品のごとき高値など、日本では和服が一般的ではなくなっている現状に驚かれました。


ク)車社会買い足す服はLサイズ
⇒ スティ先のご両親の通勤はもちろん、子の外出時の送迎も、すぐそこでの買い物も車、登下校はスクールバス……、そんな車必須の地域ではいつも太りました。食事内容の違い以上に、それまでよりも極端に、歩く必要がなくなったせいかもしれません。

南半球の山の風景
南半球の山の風景
ケ)景色見てホームシックは帰国後も
⇒ 大自然が持つ治癒力には創造主の存在を覚えます。帰国後、空が狭くて人の多い近景ばかりの家で、逆ホームシックにもなりました。

コ)声響き温もるチャペル招く神
⇒ 賛美の声、説教の声、交わりの声……ホストファミリーと明るい教会に足を運んだことは、人間本来の霊的(スピリチュアル)な面においても異文化体験の始まりでした。


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2015年5月7日木曜日

【川柳ひろば】NHKテレビ『団塊スタイル』が川柳特集

金曜夜のEテレ(NHK教育テレビ)『団塊スタイル』が5月1日に「川柳で不満を吹き飛ばせ!」と題する川柳特集をしました。

熟年の方々が川柳教室で楽しく語らう様子や、川柳を介した普段は見られない夫婦の親密なコミュニケーション、あるいは作句が脳に与える好影響(頭の働き低下の予防、認知症予防につながる可能性がある)を示す脳神経科学的実験など、盛りだくさんの内容でした。

『団塊スタイル』なので、登場した川柳も次のようなものがほとんど。
  • エプロンが化粧まわしに見えてきた
  • 夫婦仲波風あったが自然治癒
  • じいちゃんのお棺に入れる肩もみ券
  • ガガよりもハデだぞウチのレディババ
  • 老人会「振り込め来たか」がご挨拶
  • つまずいた昔は恋でいま段差
  • カーナビをかーちゃんナビが制圧し
  • 六十路過ぎ妻が好きだとやっと言え
番組には川柳選者として著名な漫画家・やくみつる氏と川柳講師・島田駱舟氏がゲスト出演。司会の二人(国井雅比古アナと女優の風吹ジュン)と一緒に穴埋め作句にも挑戦していました。例えば、

「世の中がどう変わろうと(     )」
→ 世の中がどう変わろうとケセラセラ
   世の中がどう変わろうと腹は減る
   世の中がどう変わろうといい湯だな  等々

上5の「世の中が」という大上段に振りかぶった語彙に対比させ、下5に「腹が減る」とか「いい湯だな」など、日常的で些末な語彙を付けると、アンバランスな面白味が出る、という有益なアドバイスがありました。

静岡県熱海市では町おこしのために市内の商店や駅などに投句箱を置いて、ラブレター川柳を募っているそうです。投句分から次の2作品が紹介されました。
  • 思い出す愛を誓ったサンビーチ
  • 温泉で二人の過去をかけ流し
川柳が上達する三つのポイントにも触れていました。川柳ひろばの皆さん、参考にしてください。
  1. 秀句を真似る。
     
    先人の作品を真似して作ってみることで、意外な切り口・視点を学ぶ。
  2.    たくさん作る。一つのテーマ(例えば「新幹線」)についてさまざまな角度から、異なる作品をたくさん詠んでみる。
  3.    比喩を身につける。 誰もが言うありきたりの比喩ではなく、作者独自のユニークな比喩を考案して句に盛り込む。
作句を末長く続ける手立てとしては、時事川柳を詠む効用が説かれました。満月から、かぐや姫を想像するなら、さらに大塚家具の親子紛争も絡めるなどなど、世の中の動きに注目すると作句のヒントはいくらでも得られるという具合です。

最後に川柳ひろば管理人からの助言。あまり考えすぎずにどんどん作って投句してください、これに尽きると思います。そのうちにコツはつかめますので

川柳ひろば管理人
森川博己


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