2015年2月27日金曜日

【川柳ひろば】日本の地理を川柳で学ぶ学生たち

朝日新聞(2015年2月25日付夕刊)に、大学教授らが「日本地理かるた」を作成した旨のニュースが大きく掲載されていました。

この「かるた」は、地理教育に携わる小学校から大学までの教員ら約130人が4年がかりで完成させたもので、全国地理教育学会(電話03-3917-2277)に問い合わせると、1セット千円で購入できるようです。

絵札には各都道府県の風景や、ゆかりの偉人、特産品などが描かれています。また、読み札には郷土の特徴が次のように川柳で示され、裏面に地図と都道府県庁所在地が記されています。


◆ 梅香る茨城水戸の偕楽園
◆ 佐賀県の有田伊万里は磁器の里
◆ スイセン咲く越前海岸福井県
◆ 溜池と讃岐うどんの香川県
◆ 長崎にグラバー園と天主堂
◆ 熱球が飛び交う兵庫甲子園
◆ 広島で平和を祈る原爆ドーム
◆ ブナ林は秋田白神世界遺産
◆ 室戸沖荒波泳ぐ土佐鰹(かつお)
◆ 横浜のみなとみらいは神奈川県


全国地理教育学会会長の山口幸男・群馬大名誉教授は「日本地理かるた」作成の理由について、「学習指導要領では小学校で習うのは都道府県の名前と位置だけ。もっと地域の特色について学ぶ必要がある」と述べています。地域の特色について理解を深めることが地域への愛情を育むことにつながるからです。

新聞記事は、この「かるた」を用いた初めての競技大会が、2月14日に中高生らが参加して開催されたことにも触れていました。授業で取り上げる学校も増えつつあるようです。

皆さんも自分の郷土を川柳で紹介しませんか。大阪府吹田市出身の私ならさしずめ、「万博で動く歩道を初体験」というところです。「難民支援かるた」や「キリストの福音かるた」で競技大会をする日も夢ではなさそうな気がしてまいりました。

川柳ひろば管理人
森川博己
◆「川柳ひろば」の投稿先:
   日本福音ルーテル社団(JELA)「川柳ひろば」係
   住所:150-0013 渋谷区恵比寿1-20-26 
   FAX:03-3447-1523
   E-mail: jela@jela.or.jp 皆様のご応募をお待ちしています。

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2015年2月18日水曜日

【川柳ひろば】NHKテレビ「クローズアップ現代」が川柳特集

2月16日放送の『クローズアップ現代』(NHK総合テレビ午後7時半~8時)が「自虐? 反骨? 川柳で今を笑う」と題して昨今の川柳ブームを取り上げました。

「クローズアップ現代」のサイトより
ブームと言うと「ミッチーブーム」「たまごっちブーム」のように、一過性の現象の趣がありますが、川柳は江戸時代から延々と続いてきた庶民文芸であり、番組の趣旨は、シルバー川柳・女子会川柳・アルバイト川柳など、ジャンル細分化に光をあてたかったのだと思われます。

上記の本を斜め読みするだけでも、思いどおりにいかない現実からくるストレスを笑いで発散したり、職場で正当に評価されない己の立場を自嘲するといった、憂さ晴らし的川柳が目に付くのですが、番組では川柳の積極面についても取り上げていました。

たとえば、戦時中は権力に抵抗する、つまり反骨精神を示す武器として川柳は用いられました。「弾除け(たまよけ)を産めよ殖やせよ勲章やる」のような句がそれです。この種のことを口頭で、あるいは文章で明確に述べることは危険な時代です。しかし、言っておきたい。それで、身を守る手段として「とぼけた」表現手段が採用されたのでしょう。

意外だったのは、シルバー川柳の多くは男性が妻のことを詠んだものだという指摘です。亭主関白だった夫が、過去を顧みて妻へのいたわりを句にする場合が多いらしい。恥ずかしくて言えないことも川柳なら書けるというなら、その機能は意味があります。
 ・ 女房に介護はさせぬと筋トレす
 ・ ボケたふりしてでも妻をそばに置く

後者の句を聞いた妻は「夫はそんなにわたしのことを気遣ってくれていたのか」と涙を流して喜んでいました。なかなかそれができなかった男性の皆さん、どうぞ今その思いを川柳にして送ってください。

ひるがえってJELA川柳ひろばの特色を考えたところ、最近の難民支援川柳に活路を見いだしました。日本に来て難民申請している人がどのぐらいいて、どれほど大変な生活を余儀なくされているのか、多くの日本人は知らないと思います。それを、軽妙な川柳のリズムにのせて示すことで、真剣に考えてもらうきっかけが提供できるのではないかと思います。

なんとなくおかしい川柳も魅力的ですが、川柳ひろばではそういったもの以外に、難民支援川柳のような人権にかかわるテーマの学びや、イエス・キリストの福音をやさしく言いかえる作品を大事にしたいと思っていますので、よろしくお願いします。

川柳ひろば管理人
森川博己

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2015年2月16日月曜日

【川柳ひろば】川柳で学ぶ難民支援その2(カキクケコの巻)

1月にこの欄にアップした難民支援川柳「アイウエオ」に続いて、「カキクケコ」5作品が、認定NPO法人難民支援協会(JAR)代表理事の石川えりさんから送られてきましたので、以下にご紹介します。コメントは石川さん。

◇◆◇

(カ)紙一枚人の人生左右する
  ⇒ 認定・不認定と記された一枚の紙で、難民申請者の人生を左右する決定が通知されます。紙一枚の重さをいつも感じます。

(キ)きりつめて生活送る申請中
  ⇒ 申請中に政府からの公的支援は非常に限定的で、交通費を節約するために長い距離を歩いたり、食事の量や回数を減らしたり、外出を制限したりと、きりつめた生活をしている人たちが多いと感じています。

(ク)国って何?考えさせる出会いかな
  ⇒ 難民申請用紙の出身国欄に自身の民族を書く人がいたり、逆に書いた国籍を祖国から否定されたり……私自身、難民の人たちとの出会いを通じて「国」の在り方を考えさせられています。

(ケ)結論は不認定です六年後
  ⇒ 申請に対する日本政府の判断に5~6年を要することもあり、これは非常に長いと感じています。

(コ)子どもたち学校休んで通訳に
  ⇒ 親の通訳のために、唯一家庭内で日本語話せる子どもが平日に学校を休んで通訳に来てくれることもあります。このような、子どもの学習時間を奪うことができるだけないように、確認をしていきたいと思います。

*写真は、JARでの待ち時間中に子どもたちが作ったものです。教会に通っていたお子さんたちだったので教会の絵になっていました。
石川えり  
◆◇◆

日本における難民支援の課題をわかりやすく川柳化した、石川えりさんの作品は、毎月ひとつの行ずつ掲載します。3月のサシスセソをお楽しみに。

なお、川柳に関する記事は月に数度、この欄に掲載しています。アップされるごとにその旨をメールで知らせてほしい方は、morikawa@jela.or.jp にメールでご連絡ください。

川柳ひろば管理人
森川博己

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2015年2月9日月曜日

【川柳ひろば】「主の祈り」やルターの「小教理問答」を川柳にする

教派を問わず、すべてのキリスト教会が大切にしているものに「主の祈り」があります。哀愁をおびたギターの主題曲が有名は往年の名画『禁じられた遊び』では、主役の子どもたちが「主の祈り」を唱えるときに以下の訳(いわゆる文語訳)が吹き替えや字幕で使用されていたように記憶します。クリスチャン、特にプロテスタント教会の信者は、この訳をソラで言える人が多いのではないでしょうか。ちなみに、日本福音ルーテル教会では、「日用の糧」を「日ごとの糧」に置き換えて用いられていますが、ここでは、一般に流布した形でとりあげます。

 

主の祈り

天にまします我らの父よ。
ねがわくは御名〔みな〕をあがめさせたまえ。
御国〔みくに〕を来たらせたまえ。
みこころの天になるごとく、
地にもなさせたまえ。
我らの日用の糧〔かて〕を、今日〔きょう〕も与えたまえ。
我らに罪をおかす者を、我らがゆるすごとく、
我らの罪をもゆるしたまえ。
我らをこころみにあわせず、
悪より救いだしたまえ。
国とちからと栄えとは、
限りなくなんじのものなればなり。
アーメン。
◇◆◇

さて、この祈りを、ノンクリスチャンの方にもわかりやすいように、私が川柳に仕立て上げたものを、以下にご紹介します。左が原文、矢印の右がその内容を川柳化したものです。

    主の祈り → 何をどう祈るかイエス手本見せ

    天にまします我らの父よ。→ 子を思う父親みたい僕らの主

    ねがわくは御名〔みな〕をあがめさせたまえ。→ ひたすらに神をかしこみ崇めたい

    御国〔みくに〕を来たらせたまえ。→ 世の中は愛と平和を求めてる

    みこころの天になるごとく、地にもなさせたまえ。→ 神様のおもい大事にしなければ

    我らの日用の糧〔かて〕を、今日〔きょう〕も与えたまえ。→ ほしいです今日ほんとうに要るものが

    我らに罪をおかす者を、我らがゆるすごとく、我らの罪をもゆるしたまえ。 → 嫌なひと赦せるように頑張るよ

    我らをこころみにあわせず、悪より救いだしたまえ。→ 誘惑に負けそう自分の力では

    国とちからと栄えとは、限りなくなんじのものなればなり。→ 神様はあらゆることを超えた方

    アーメン。→ 今言ったこと本当にその通り

いかがでしょう。分かりやすくなっていれば幸いです。

◆◇◆

クリスチャンの方、あなたも「主の祈り」「十戒」「使徒信条」あるいはルターの「小教理問答」の川柳化に挑戦しませんか。やってみればわかりますが、作句の過程で、自分がその聖書の言葉をどのように受け止めているか、吟味させられます。これが、こういったテーマで川柳を作るときの難しさであり、醍醐味とも言えます。

私は例によってワイフの助けを借りながら「主の祈り」の川柳化を成し遂げました。福音川柳カルタの時に比べると、今回はわりにスムーズにOKがもらえました。面倒くさいので、「いいよ、いいよ」という感じでOKが出されたのではないことを祈るばかりです。

ルターの小教理問答は、2017年の宗教改革五百年を記念して新たな訳『エンキリディオン―小教理問答』(201412月、リトン発行)が発売されています。どなたかが一人で、あるいは信仰の仲間と手分けして、この問答すべてをノンクリスチャンにも理解できるように川柳にしてみてはどうでしょう。きっと深い学びになると思います。
川柳ひろば管理人

森川博己
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