2015年3月26日木曜日

【川柳ひろば】阪神・淡路大震災20年~川柳に寄せて「あの日から」

今年の117日で阪神・淡路大震災から20年になりました。遅ればせながら、川柳ひろば投句者からいただいた情報をもとに、最近ネット上で「五七五で詠む震災20年 全国から830句」(神戸新聞NEXT 2015115日付)を目にしました。

NPO法人・神戸グランドアンカーの呼びかけで、当時の心境や歩みをしたためた川柳が兵庫県内を中心に831句集まり、そのうちの100句(八上桐子・選)が、神戸市中央区の芸術文化交流施設「神戸波止場町TEN×TEN」に320日まで展示、と記されています。

展示された100句の川柳すべてを掲載した小冊子を入手したので、いくつかご紹介します(作者名省略)。冊子の表紙には、「わたしの“今”伝えたいこと。20年前に大被災地であったまちからの、ありのままの思いを紡ぎ、伝え、残す川柳。……」とあります

◆◇◆

  飛び起きてタンス押える夫の愛
  まず靴を履けと夫の冷静さ
  「見捨てろ!」と炎の下で父叫ぶ
  震災は家族の絆が生まれた日
  上沢の被災者語るアナも泣く
  老二人避難袋に添い寝する
  ぬくぬくのあのおにぎりを忘れない
  ズタズタの絆を結ぶボランティア
  差し伸べる手のやさしさと強さ知る
  古里はかげもかたちもなくなった
  忘れない助けてあげてと泣く息子
  あのときをすべて受け止め今日あした
  助けてくれたダイエーが消えてゆく
  無事で泣き生死をわけて今生きる
  あの時の山茶花今も咲いている
  ただいまとおかえりがある日に感謝
  忘れない私を覆った母の手を
  愛しくてただ会いたくて星仰ぐ
  震災を詠んで悲しさ乗り越えて
  二十年経てばぽつりぽつりと語りだす
  体内に宿り続けている震度
  悲しみに時効はなくて二十年
  忘れない優しい気持ちになれたこと
  ありふれた生活に住む青い鳥
  伝えたい諦めないを神戸から
  そうなろうそうなりたいよ福島県
  二十年たってわたしになったかなしみ

◇◆◇

冊子には川柳の他に、地震当時と復興した後の神戸の写真も何点か掲載されています。以下に問い合わせれば今でも手に入るかもしれません。東京までは送料込みで一冊数百円でした。

問合せ先=NPO法人・神戸グランドアンカー          
     650-0042 神戸市中央区波止場町6-5 神戸波止場町 TEN×TEN
     電話078-351-1335 ファクス078-351-1334 

川柳ひろば管理人

森川博己

◆「川柳ひろば」の投稿先:
   日本福音ルーテル社団(JELA)「川柳ひろば」係
   住所:150-0013 渋谷区恵比寿1-20-26 
   FAX:03-3447-1523
   E-mail: jela@jela.or.jp 皆様のご応募をお待ちしています。

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