2014年4月17日木曜日

川柳の作り方(その四)

川柳ひろばには現在、百に迫る数の投句が寄せられています。ジャンル無限定なので内容は様々ですが、キリスト教や福音を意識した作品が想像以上に多いです。大変うれしいことであり、もっとたくさんの投句が集まった段階で、「福音川柳」のような形でまとめて発表することも考えています。今までご投句くださった方はもちろん、呻吟中の方も気楽に作品をご提供願えると幸いです。

最近川柳ひろばに短歌、つまり五七五七七で作品を多数寄せてくださった方がおられます。残念ながら、これは川柳ではありません。では、五七五という音数が同じ俳句と川柳はどう違うのか。毎回参考にしている『一日一句医者いらず 健康川柳』(近藤勝重著、幻冬舎、2008年)をもとに、いくぶんアレンジして説明します。詳細は同書163~71頁をご覧いただきたく存じます。

「古池や蛙飛び込む水の音」これは俳句、「トラ優勝みんな飛び込むどぶ川に」これは川柳です。俳句には必ず季語(前者では、蛙が春の季語)があり、余韻を持たせる文語表現(や、けり、かな等)が使われますが、川柳にはそんな制約はなく自由です。自然を通して、その向こうに人間を見つめるのが俳句、人間を通して、そこに笑いや風刺を目指すのが川柳とも言えます。俳句か川柳か判別がつかないのは中途半端な印象を与えます。

川柳を川柳らしくする三要素は、①穿ち(うがち=意外な側面から本質をえぐり出すこと)、②おかしみ(滑稽な味)、③軽み(軽妙さ)、です。

「古池や蛙飛び込む水の音」と聞いても、何の情趣も感じず「それがどうした」としか受け取れない人もいるのですが、川柳を聞いた人が上記の三要素のどれも感じず、「それがどうした」という反応しか湧いてこないようでは、作品としてつまらないということです。

ちょっとしたテクニックですが、「門限を過ぎて帰宅の間の悪さ」という句よりも「門限が過ぎる帰宅は友を連れ」と人間を登場させたほうが、たとえフィクションであっても、場面が生き生きします。

最後に同書から面白い句をいくつか。
・夏がいい夏になったら冬がいい(てぬきうどんの女)
・忘れたらいいよなことは覚えてる(邪素民)
・川柳と天気だけ書く日記帳(田尾暉年)
以上



JELA川柳ひろば募集の趣旨や詳細は、こちらをご覧ください。
 ◆ 「川柳ひろば」の投稿先: JELA「川柳ひろば」係
 住所:150-0013 渋谷区恵比寿1-20-26  日本福音ルーテル社団
 FAX:03-3447-1523
  E-mail: jela@jela.or.jp 皆様のご応募をお待ちしております。

2014年4月16日水曜日

川柳の作り方(その三)

いつものように、虎の巻は『一日一句医者いらず 健康川柳』(近藤勝重著、幻冬舎、2008年)。今回は、川柳と方言をあつかった同書123~7頁を参考にしました。

方言と聞くと大阪出身の私には大阪弁がまず浮かびます。かんにんな、あきまへん、まかしとき、なんやねん、そらないで、かなわんな、もうかりまっか、(わてほんまに)よういわんわ……。

方言がかもし出す独特のユーモアが川柳に向いているのでしょう。たとえば、こんな感じです。
・命までかけた相手てこれかいな
・まだかいな妻の化粧にクラクション
・アホちゃうか値切りもせんと買(こ)うてもて
 *こうてもて=買ってしまって

皆さんの出身地の、一般に広く知られた方言を使うのも、面白いかもしれません。

方言はこれぐらいにして、最後はいつものように、この本掲載の佳作をいくつか紹介します。
・どの薬効きましたかと医者が聞く(熊沢政幸)
・お母ちゃんきのうも去年も「こないだなぁ」(松本久美子)
・百薬に優る口癖「ありがとう」(徳留節)
以上



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2014年4月15日火曜日

川柳の作り方(その二)

今回も『一日一句医者いらず 健康川柳』(近藤勝重著、幻冬舎、2008年)を参考に、作句のコツをいくつかご紹介します。(同書83~87頁)。 

・五分でも毎日開けば経済通
字あまりは終わりよりも初めの方が望ましい。よって、「経済通毎日開けば五分でも」のほうが川柳としてのリズムがよい。→ コツ1:字あまりは冒頭に。

 ・上役のカラオケ耳栓はめて聞き
 真ん中が八音で字あまり。これは嫌われるので避ける。また、耳栓は「はめる」物なので意味が重複。以上を解消するために「上役のカラオケに要る耳の栓」とする。→ コツ2:意味の重複をさける。

 ・出たっきり妻ヨン様で今日も留守
 ただの説明・報告のようで物足りない。これを「ヨン様でおでんカレーの日が続き」と情景描写を挿入すると、韓流追っかけ妻を持った夫のわびしげな日常が浮かび上がる。→ コツ3:作者の気持ちが類推できる情景を盛り込む。 最後に上記の『健康川柳』掲載の佳作をいくつか。作者はいずれもお年を召した方のようです。

・若いねと言われたいから年を言う(内本恵美子)
・「愛してる」アホか言いつつ嬉しそう(佐古由布子)
・金よりも笑顔ばらまくあんた好き(邪素民)



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2014年4月14日月曜日

川柳の作り方(その一)

川柳ひろばに投句が集まりだしました。さらなる賑わいのために、川柳の作り方情報を少しずつご提供いたします。今回お届けする以下の内容は『一日一句医者いらず 健康川柳』(近藤勝重著、幻冬舎、2008年)の43~48頁を参考にしました。
 
 川柳と言えば五七五ですが、これは字数ではなく音数のことです。数え方で気をつける必要があるのは以下のものです。
・撥音(ん)は一音。 (例)福音(ふくい)=四音
・促音(小文字っ)も一音。 (例)復活(ふかつ)=四音。
・拗音(小文字ゃ・ゅ・ょ)は大文字とセットで一音。 (例)チャペル=三音。
・長音(伸ばす音)は一音。 (例)十字架(じゅじか)=四音。モセ=三音

なんとか五七五に収めるところが妙味ですが、一部の字あまりはOKです。ただし、真ん中は七音が基本。これが八になるとリズムが壊れるので嫌われます。
最後に上記の本から佳作をいくつか紹介します。
・健康を夜通し語る不健康(田渕聖一)
・お医者さんデータじゃなくて私診て(徳留節)
・いやなこと見ない聞かないしゃべらない(中岡美代子)
・おーいお茶耳遠なったふりをする(河野亜友美)
以上


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2014年4月8日火曜日

「川柳ひろば」の投句が届きだしました

先週末に募集を開始した「川柳ひろば」に投句がメールで複数届いています。
投句いただい方に感謝するとともに、まだの方からの投稿をお待ちいたしております。

選者の審査を経て、入選作品は機関紙「ジェラニュース」に掲載いたします。
入選した方には、星野富弘詩画はがきセットをプレゼントいたします。
そのため、ペンネームで投稿する場合も必ず氏名・住所・電話番号等をお知らいただきますよう、ご協力をお願いいたします。

■「川柳ひろば」への投稿はこちらから。 必ず「川柳ひろば」と明記ください。


【発表・プレゼントについて】
・入選句は機関紙「ジェラニュース」(4月・8月・12月発行)に掲載いたします。機関紙(無料)をご希望の方は、お知らせください。申込みフォームはこちらから。「JELAニュース希望」と明記ください。
・プレゼントの「星野富弘詩画はがきセット」は20種類ぐらいあり、入選者には毎回違うセットをお送りしますので、継続的にご投稿いただければ幸いです。

川柳に興味のあるお知り合い・ご友人がいらっしゃれば、どんどんご紹介いただきたく存じます。「川柳ひろば」が盛り上がれば、恵比寿のJELAホールで関連イベントも計画いたします。選考に困るほどの多種多様多量の川柳の到着を期待しております。「朝一番 川柳来てるか まずチェック」(広場管理人)